美大を出たこともなければそれまで絵を描いたこともなかった私ですが、いきなりアクリル絵の具で描き始めてもそれなりに楽しめました(笑)。必ずしも基礎を積み重ねていかなければ絵を描いてはいけない、というわけではなさそうです。
ただし、絵を描く上で画力は避けて通れません。どんなに気持ちがこもっていても、それを最大限表現できるだけの技術がなければ見る人には伝わりにくくなってしまいます。私ももっと画力があれば……と思うことは多々あります。
逆にどんなに技術があっても、それだけでは絵は成り立たないそうです。画力と気持ちの両輪。うーん、難しい。
しかし理想ばかり求めても無いものは仕方ないと思ったので、描きながらその都度必要に感じたスキルを身につけていこうと考えました。
例えば立体感がうまくでないと感じたときに、デッサンを平行してやらなければと思いました。練習だからという理由だけでデッサンをやるよりはずっとモチベーションも上がります。デッサン的なものの見方、考え方の大切さは、アクリル絵の具で描いているときに初めてわかりました。
いくら塗って削ってを繰り返しても綺麗な色の下地が出てこない時。これは色彩の勉強が足りていないと気づいたこともありました。
描いているうちに必要だと思ったことは練習した方がいいですが、無理して基礎から練習しなくてもいいかもしれません。
先生によると、形に強い人と色に強い人がいるそうです。形に強い人はデッサンを多めにやった方がいいかもしれませんし、色に強い人は早めに絵の具を使った方がいい可能性もあります。それもやってみなければわからないです。私はデッサンの集中力がなくて絵の具に逃げたタイプですが(笑)。
どんなに技術がなくても臆せずに絵の具を使って描いた方がいい理由は他にもあります。その時にしか描けない絵もあるからです。
技術的に見ればできていない部分がたくさんあっても魅力的な絵はたくさんあるそうです。私も見てきました。それはその人の才能なのか、絵を描くまでに至った経緯や気持ちがそうさせるのか、それはわかりません。でも、確かにあるんです。
それに画力がつくまで待てませんからね。私は「描きたいんじゃ〜」と思えば、技術気にせず描きます(笑)。反省点はその後ですね。
私の個人的な話だと、ある晩うちにやってきた猫がずんぐりしていて面白い顔をしていたので、写真に撮って描いたことはあります。
忙しい時期に休憩室で目をつぶって力を抜いたら、「ああ、生きているな」と突然生を実感したこともあります。
それらは恐らく、その時にしか描けない絵の部類に入ると思います。
アクリル絵の具で身近なモチーフからどんどん描いていくのは面白いですよ!